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青空見上げ 愛を叫べ

道枝駿佑くん主演「Romeo and Juliet」あらすじ&感想 前編

 

なにわ男子の一員である、道枝駿佑くん初主演舞台「ロミオとジュリエット」が2021年の3月・4月に開幕。コロナ渦でやむを得ず舞台が中止になるケースが多い中、1日もキャストが欠けることなく無事予定通りに終演となりました。

3時間15分という、とても公演時間が長い舞台ですので、セリフはできるだけ忠実にとは思っておりますが、あくまで雰囲気を楽しんでいただければと思います。

公演は大阪の梅田芸術劇場でも行われたましたが、中の人が観劇したのは東京グローブ座公演です。

 

 

作品メモ

●道枝くん初主演舞台。外部の舞台に立つのも初。

●ロミオ役の道枝くん(18歳)、ジュリエット役の茅島みずきちゃん(16歳)という次世代を担う若手役者が主演・ヒロイン。歴代のロミジュリの舞台に比べて10代のふたりは原作のロミジュリの年齢に近く、ピュアで純粋なロミジュリ像というのが特徴。

●演出家は森新太郎さん。稽古が厳しいで有名の方。

シェイクスピアの原作にできるだけ忠実なストーリー展開

 

 

<一幕>

 

・第1日目(日曜)朝 ロミオ登場

物語はヴェローナ市街での両家の乱闘騒ぎから始まります。こちらにはロミオとジュリエットは関わっておらず、乱闘直後に登場します。

そして、ロミオの登場です。ジュリットに出会うまではロザラインという女性に片思いの最中で、報いられぬ恋に悩んでおります。モンタギュー家の甥であり、ロミオの友人・ベンヴォーリオが、悩めるロミオに話しかけます。

 

 

道枝くんの登場は、1階の客席から扉を開けて、通路を通り、ステージまでやってきます。

深く帽子を被っていてお顔は見えづらいものの、通路に立っておられるお姿は圧倒的なスタイルの良さ。神々しいロミオ様・・・。

そしてステージ下手側の階段に座り、ロミオとベンの会話が始まります。

 

あぁ~・・・とため息をつき、悩める様子のロミオ様。

わたしが一番気になるセリフはここです

 

 

ロミオ「おい。喧嘩騒ぎがあったそうだな」

ベン「ああ・・・」

ロミオ「いや、言わなくていい。すっかり聞いた。憎しみが元の騒動も相当だが、恋がもとだともっと大きい。
なんのことはない。あぁ・・・憎みながらの恋。恋ゆえの憎しみ。あぁそもそも無から生まれたもの。
あぁ!憂いに沈む浮気心、深刻な軽薄さ、形の整ったもののなかの歪んだ混沌。鉛の羽根、明るい煙、冷たい炎。病んだ健康。
眠りとも呼べない覚めた安眠。恋をしながら少しも楽しめない!・・・笑えるだろう?」

 

序盤も序盤。ロミオ様はしゃべり始めたばかり。しかしこの時点で、気づいたと思うのです。

 

 

この舞台セリフが多いし長いし言い回しが難しい

 

 

ロミジュリの世界を学ぶ機会があまりなかったわたしは知識不足かもしれませんが、ロミオ様が言っていることを理解するのが難しく、頭の中が「???」となりました。

ちなみにここは矛盾する言葉が並んでいて、ロミオのやり場のない苦しみを表現しているものなんだそうですが。。

恋に溺れ、悲壮感でいっぱいのロミオ様。そんなにロザラインが好きなのね。と感じるシーンです。

(ちなみにこの前も後も、ロミオの会話でしかロザラインは登場しないので、どんな人なのかは知ることはできませんでした)

 

その後、ロミオとベンヴォーリオはキャプレット家のピーターに出会い、文字が読めないピーターのかわりにロミオが招待客リストを読み上げるのですが

 

「 ―マーティーノ夫妻及びご令嬢方、アンセルモー伯爵と美しきご姉妹、プラセンショー殿及び令嬢方、叔父キャピュレット夫妻及び令嬢方、
我が美しき姪・ロザライントリヴィア・・・ロザライン?」

 

というセリフがあり、ここでロミオの恋のお相手・ロザラインが敵方のキャピュレット家の姪だということがわかります。

思わず「ロザラインってジュリエットの身内なのか!!!!!!!!!!!」とツッコミました。そもそもこの物語における身内の感覚と、現代の身内の感覚は異なっていそうですが、最初は衝撃でした。

 

あとピーターに話しかけるロミオ様は、冗談を言ってみたり、陽気な口調で招待リストを読み上げたり。無邪気でかわいい。

 

 

 

この出来事により たまたま仮面舞踏会があることを知ったロミオとベンヴォーリオは、ロザラインが来ることを知り、ともに繰り出すこととなります。

 

 

・ジュリエット登場 ロミオ、キャピュレット家主催の舞踏会へ

 場面はキャピュレット家の館。ジュリエットの登場です。ばあやが見守る中、キャピュレット夫人が、ジュリエットに結婚話があることを語ります。この時、ジュリエットは14歳になるまでにあと2週間あることがわかります。

 

 

ジュリエット・みずきちゃんの登場です。

メンズ校でのイメージでどちらかというと大人っぽいクールビューティーのイメージを持っていたのですが、13歳の役ということもあり天真爛漫さがあり、どこか子供らしいジュリエット像もみずきちゃんにハマっていて、いい意味でイメージを覆しとても衝撃的でした。

にこにこ微笑むジュリエット。本当に本当に終始かわいかったです。

 

ロミオたちはキャピュレット家の宴会に出るべく、仮面や松明を持って登場します。しかし、ロミオは昨夜夢を見たらしく、気が重い。マキューシオは妖精の女王マブの話を陽気に聞かせます。

 

 

実際に炎がついたタイマツを持ちながら、ロミオと友人たち(ベンヴォーリオ・マキューシオ・バルサザー)が登場します。

道枝くんは頭蓋骨のような仮面をつけて登場。

ロミオの友人・マキューシオやロミオの従者・バルサザーもここではじめてステージに登場しますね

 

以下、好きなセリフです。

 

ロミオ「早すぎるかもしれない。なんだか胸騒ぎがするんだ。まだ運命の道にかかっている重大事が今夜の宴をきっかけに恐ろしい効力を発揮しはじめた。
非望の死といういまわしい刑罰を科して、この胸に宿るふがいない命の期限を切るような気がする。
だが俺の人生の舵とる神よ。航路を導きたまえ!」

 

おもむろに立ち上がり、深刻そうな面持ちで語りだすロミオ様。

未来を暗示しているセリフなのですが、すべて的中してしまうので、胸がぎゅっと締め付けられます。

「だが俺の人生の舵とる神よ。航路を導きたまえ!」

↑口調がかっこいい・・・恋・・・

 

 

・第1日目 (夜から夜明け)ロミオとジュリエット 出会い

 キャピュレット家での仮面舞踏会。そこでロミオは今まで片思いの相手であったロザラインを完全に忘れてしまう女性を目にします。それがキャピュレット家のひとり娘・ジュリエットなのですが、もちろんロミオはそれを知りません。

 

ロミオ「あそこの天使に美しい手を預けている人は誰だ」

ロミオ「この心は今まで恋をしたことがあっただろうか。目よ、無いと言え!今夜までまことの美しさを見たことはなかったのだから。」

 

ここのシーンがとても好きですね。

 

まず冒頭で気が病むほどロザラインに恋してる様子を見ておりますので、一目見ただけでジュリエットを好きになるロミオにずっこけました。

道枝くんのインタビューではロザラインからジュリエットにすぐに乗り換えたことを「ロミオってこんな感じなんやって。もっとかっこよくて、男らしい感じかなと思ってたら、ダメ男やった・・・(笑)」と「ダメ男」とはっきり言っていましたね(笑)

道枝くんは恋愛は一途じゃないと嫌だと言ってる男の子なので、ロミオの性格には共感できなかったんだと思います(笑)

 

この心は今まで恋をしたことがあっただろうか。目よ、無いと言え!今夜までまことの美しさを見たことはなかったのだから。」

 

↑このセリフも好きです。魅力に感じているのはテンポなのかな。。道枝くんも膨大のセリフの中で、このセリフを選んでテレビで披露してましたね。

 

 

そしてロミオは勇気を出して、名も知らない美しい女性に近づき、大胆にも手をとって語り始めます。

 

 

ロミジュリの出会いのシーンです。パーティーの華やかなBGMが止まり、静寂に包まれる会場。その緊張感がある演出に、キスシーンが来ることを予感させます。

 

ロミオ「もしも僕のいやしい手が聖なる御堂を汚してしまうなら それより優しい罪はこれ。僕の唇は顔を赤らめた巡礼。こうして惹かれ そっと口づけして 手荒らな手のあとを清めよう」

ジュリエット「巡礼様。そうおっしゃってはあなたの手がかわいそう。こんなにも礼儀正しく貴恵する心を示しているのに。聖者の像の手は巡礼の手が触れるためにある。
手のひらのふれあいは巡礼たちの口付け。」
ロミオ「すべての巡礼に 唇があるのでは」
ジュリエット「ええ巡礼様 お祈りをとなえる唇なら」

ロミオ「それなら愛しい聖者 手がすることを唇にも 唇が祈ります どうが信仰が絶望に変わりませんよう」

ジュリエット「聖者の像は動きません たとえ祈りの心は汲んでも」
ロミオ「では動かないで 祈りの情事を見るまでは」

 

ロミオがジュリエットに優しく口付けをします。

 

ロミオ「あなたの唇のおかげでこの唇の罪を清められた」
ジュリエット「それならその罪はわたしの唇へ移ってしまったの?」
ロミオ「この唇の罪が?あぁなんて優しいとがめ方だ もう一度唇の罪を返して」

 

そしてジュリエットが腕を回し、大胆にロミオにキスをします。

目をあけたままで、びっくりしたような顔のロミオ。

そっと目をつぶり、ジュリエットに応えます。

これが2回目のキスシーン。

 

ジュリエット「お作法どおりのキスね」

 

これが道枝くんのとって、はじめてのキスシーンとなりました。

舞台が始まるまでは王道アイドルのイメージが強い18歳の道枝くんが、どの程度でラブストーリーを演出するのか気になっておりましたが、キスをしてる”フリ”ではなく、ちゃんとしてたのにはかなり驚きました。(しかも全体を通して6回ほどキスシーンがあります)

 

道枝くんとみずきちゃんが持ってる、10代のフレッシュ感や透明感溢れる美しさが勝っていて、若い2人の爽やかなキスシーンで。

言葉で表現するのが難しいのですが、触れ方も優しく、とにかく「美しい」。

(他の方のロミジュリを観たときに官能的なキスしてる方もいましたが、そういう感じではまったく無かったですね)

 

あと回を増すごとに少し余裕ができたのか、キスで顔を近づけるときにタメの時間を作っていたり(焦らされてドキドキしてしまう)、間を意識しているのを感じ、キスシーン自体の時間も延びたように感じました。(体感ですが)

そのため初日と千秋楽と比べると、後半の方がよりロミジュリがラブラブしているように見えると感じた人も多かったと思います。

 

ジュリエットの「お作法どおりのキスね」のセリフに対して「お作法どおりなんてわかんないじゃないですか」って言ってた道枝くんを思い出すと、ロミオの恋愛に積極的な性格と道枝くんの純粋さのギャップにきゅんっとしてしまうのです。

 

 

余韻に浸る暇もなく、乳母に呼ばれ、ジュリエットはすぐに離れていってしまいます。

ロミオはその場で乳母から聞き、ジュリエットが仇敵のキャピュレット家の娘だということをはじめて知ります。

ロミオが退場したあとに、ジュリエットも乳母に相手の情報を集めさせます。そこでモンタギューの一人息子だということに気づくのです。

 

 

 

・1日目の終わり(深夜から夜明け)

ロミオはベンヴォーリオ達と一度キャピュレット家を出ますが、ジュリエットを後に残し、後ろ髪を引かれる思いで一人となって、キュピレット家の塀の中に身を隠します。ベンヴォーリオとマキューシオはロミオを呼びますが返事はなく、諦めて立ち去ります。

身を潜めているロミオは、バルコニーに現れたジュリエットのロミオへの熱い気持ちを立ち聞きします。

 

 

 

 

ジュ「ああ・・・ロミオ・・・ロミオ・・・どうしてあなたはロミオなの?お父様をお父様と思わず 名前を捨てて それが無理ならわたしを愛すると誓って。
そうすればわたしはもうキャピュレットではない。」
ロ「もっと聞いていようか。いまの言葉にこたえようか。」
ジュ「にくい敵はあなたの名前だけ モンタギューでなくてもあなたはあなた モンタギューってなに?手でもない足でもない 腕でも顔でもない 人の身体のどの部分でもない
ああ、なにか別の名前にして。名前になにがあるの?バラと呼ばれる花を別の名で呼んでも甘い香りにかわりはない ロミオだって同じ
たとえロミオと呼ばれなくっても非の打ち所のない尊い姿はそのまま残る ロミオ!名前を捨てて!あなたの身体のどこでもないその名前にかわりに私のすべてを受け取って」

 

 

その後ロミオは姿を明かし、気持ちを確かめ合った2人は、恋心をより深いものにしてゆきます。

ロミオの気持ちが本当なら、明日使いを出すので結婚の返事をもらえるようにお願いするジュリエット。

 

 

 

 

ジュ「何故あなたを呼び戻したのかしら 忘れてしまった」
ロ「思い出すまでここいよう」
ジュ「じゃあ忘れたままでいる いつまでもそこにいてほしいから どんなにあなたと一緒にいたいか」
ロ「いつまでもここにいよう いつまでも忘れていてもらうために ここ以外に家があることなど忘れたままで」

 

愛し合っている2人は甘く、今後待ち受ける死の運命を想像すると切なくもあり、バルコニー越しに触れ合うのが指先だけという距離感もいじらしくさせます。

ロミジュリのお話全体の中でも、バルコニーのシーンは重要なんだそうで、有名なセリフもたくさん出てきました。悲劇の中にある喜劇のシーンでもあるそうで思わず笑ってしまうポイントがいくつかあります。

 

たとえばジュリエットの気持ちを確かめた後のロミオが「あぁ幸せだ・・・!」とキラキラした表情で振り返るシーンであったり(真面目に演じているので笑っていいか迷うところでもあったがとても可愛い)、いろいろなものに誓おうとするロミオに対して「ああ・・・やっぱり誓わないでーー!!!」って叫ぶジュリエットだったり(日に日に絶叫度が増していったみずきちゃんw)、「ロミオ!」「なにか?(発音的にはNANIKA!☆)」「明日何時に使いを送ったらいい?」「九時に!(KUJINI!☆)」とコミカルに足を組んじゃったりするロミオ。ここは完全に笑わせに来てたな、と感じるシーンでしたね。

 

公演によって笑い声の大きさも異なっていたのですが、お客さんがよく笑う回では道枝くんがちょっと嬉しそうな顔をしていた(ように見えた)のも愛らしいポイントでした。

 

 

・第2日目(月曜日)早朝 ロレンス神父登場 

ロミオは眠らずそのままロレンス神父のいる教会に向かいます。

ロミオから事の一部始終を聞いた神父は、まずロザラインからジュリエットへの心変わりに驚きます。

神父は「まだロザラインのために流した涙の跡がいまだ頬に残っているはず」とロミオを責めながらも、モンタギュー・キャピュレット両家の宿怨を解消・和解させ「愛に換え」るための一計を案じます。

 

 

 

 

神父さまにジュリエットとの結婚式を挙げさせてもらえるようにお願いをするロミオ様。

あんなにロザラインを好きだったのに・・・の気持ちを代弁してくれる神父さまのセリフにスッキリします。

神父さまとロミオの関係性もステキで、仲の良い友人のような・・・親子のような・・・。ロミオが信頼している人なんだなというのがわかりますし、神父さまも愛をもって接しているのがわかります。

 

 

・第2日目(月曜日)正午近く

一睡もしていないロミオですが、ロレンス神父の助言で二人の結婚が成就されると分かると、ロミオは意気揚々とマキューシオとベンヴォーリオに会います。もちろん結婚の話は「内緒」のまま。この場にジュリエットの乳母が登場し、ロミオとの間で密かに午後に結婚式を挙げることが語られます。

 



友人たちと楽しく過しているところへ乳母がやってくるシーンです。

ロミオ様にはバルサザーという従者がいるのですが、乳母がきて友人たちが去っていこうとしたときにバルサザーにも指示を出してるロミオ様にキュンとします。

主であるロミオ様、カッコイイ、という新たな感情です。

ロミオ様とバルサザーの関係もステキなんですよね・・・

 

そしてジュリエットとの約束どおり、ロミオは使いのばぁやに伝言します。

 

「今日の午後、なんとか都合をつけて懺悔に出かけること。

ロレンス神父さまの庵に行って懺悔を済ませ、結婚する」

 

 

・2日目 午後 キャピュレット家

一方乳母を使いに出したジュリエットはその帰りを今や遅しと待っています。

待ちわびているジュリエットには少し苛立ちすら見えます。

帰ってきた乳母はこれから神父のところに行けばそこには夫となるロミオが待っていると告げます。

 

 

・2日目 午後 結婚直前

熱い思いを熱弁するロミオと忠告をする神父のところに、ジュリエットが登場します。

 

ジュリエットを見るに、喜んでとびかかろうとする犬のようなロミオを制するする神父さま。神父さまに投げ飛ばされるロミオの図はコミカルで、このシーンも笑いが起きてました。

そんな神父さまの止めを破り、ジュリエットの元へ飛んでいくロミオは歓喜のキスをします。

このキスシーンは不意打ちでくるので、初見はちょっとビックリしました(笑)

 

バルコニー越しで触れ合っていたロミジュリを思うと、再会してやっと触れ合える嬉しそうな二人は微笑ましい。

 

 

仲良く手をつないで、神父さまのもとで結婚の誓いを立てるロミジュリ。

この後待ち受ける悲劇も知らず、二人の幸せなシーンで一幕が終わります。